加入道山(かにゅうどうやま)


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planning, text, photo by Yumiko
【DATA】
登った日 2004/6/27(日)
お天気 曇り
ときどき
メンバー 5名(midori, yumikey, uri, hiromi, yumiko)
山の高さ 1418.41m
 登った高さ 約870m
フリー素材:伸びるライン画像 photo by Yumikey

■地図■ 国土地理院地図閲覧サービス加入道山

■アプローチ■ 
新松田駅(小田急小田原線)より、富士急行バスにて終点まで

■ルート&タイムスケジュール■
9:21西丹沢バス停*9:37西丹沢自然教室=10:08用木沢出合(ゲート)=10:37舗装道路終点=11:06休憩(5分)=11:30白石の滝=12:46白石峠=13:18加入道山頂・昼食13:47=14:08白石峠=15:00白石の滝=15:55用木沢出合=16:15西丹沢自然教室*16:20西丹沢(バス停)
【total =6h40m】


■温泉■ 町立中川温泉「ぶなの湯」

企画者*yumikoのfeedback!
ハプニング1*ルートの変更
 静かな山歩きを求めて、西丹沢の「畦ガ丸」を目指した私たち。畦ガ丸の登り始めは沢沿いなので、前々日の雨による増水をちょっと心配していたのですが、現地に着いてみると増水は収まっていたものの、1週間前の台風で下流の橋がことごとく流されていたのでした。西丹沢教室の指導員によると、腰までの徒渉(川を渡ること)が6回もあるとのこと。檜洞丸も大室山も同じだというので、指導員の薦めに従って加入道山に変更しました。
反省点*橋のことが完全に頭から抜けていました。台風が通過した後は、事前に地元に問い合わせておくべきでした。


西丹沢教室のホワイトボード
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(右)西丹沢は水と緑が美しい
(左)一番目の橋はしっかりしていたのですが・・・


お天気によって気をつけること*

 実は「からっぽクラブ」、昨年は夏合宿のトレーニングも兼ねて、よほどのことがなければどんな天候でも出かけていたのですが、発足してから7ヶ月連続の雨。夏合宿には台風まで直撃してしまい、このままでは初心者の女の子に「山は辛いもの」という印象を与えてしまう、と心配した私は以降、「前日夕方の予報の降水確率が51%以上の場合は延期」という新しい方針を定めたのでした。
 そして今回、グズグズしてはいるものの予報は20%ということで決行したのですが、雨具を着けるまでには至らないのですが、霧で視界が悪く、ただでさえ緑深い西丹沢はちょっと暗〜い雰囲気。微妙な丸木橋や徒渉も続きます。

 こんな時に気をつける点は、

1. 転倒した場合に深刻な状況を招きそうな徒渉や丸木橋がある場合は、おもいきって引き返す

2. 山の側面からの落石に注意する(雨で土がゆるんでいるので、落石が起こりやすい。登山道に落石がボロボロ落ちている箇所は、音に注意しながら1人ずつササッっとすばやく通る)

3. 夜明け前や夕暮れ時はツキノワグマが活発に動く時間帯ですが、視界が悪い時も突然の出会いを避けるために、複数の人で話をしながら、あるいは鈴・ラジオなど音の鳴るものを携帯する

4. 湿気が多く風のない日は、陽が当たらなくても熱中症に注意する(なるべく風通しのよい格好をして、頻繁に塩分入りの水分を補給するように心掛ける)

 

沢を飛び石渉りする箇所がいっぱい

白石沢は、名の通り大理石がゴロゴロ

ハプニング2*過呼吸症候群

 ふだん、よっぽどルートファインディングが難しい山でなければ、全体を見渡すために一番経験のある私が最後尾につき、次に力のあるメンバーを先頭を任せ、間に経験者と初心者を交互にして順列を組みます。今回は、外秩父縦走で驚異的なパワーを見せたmidoriちゃんに先頭をお願いしました。

 狙いどおり、不安定な場所でみんなに手を貸すなど、サブリーダーぶりを発揮していたmidoriちゃんでしたが、白石峠までのひと登りを前に、連続して「休ませて」と訴えたことから、初めて彼女の不調に気がつきました。昨年、彼女が大菩薩峠で熱中症の症状を見せたことを思い出し、「熱が身体にこもりやすいのかな?」と思った私は、涼しくして十分休んでもらった後、ザックを預かって、先頭を次に経験があると思われるyumickeyさんに交替して、再び歩き始めました。白石峠まで出れば風が出ると踏んで、がんばってもらいました。稜線に出てしばらくして元気が出てきたようなので、ザックだけ返して中身をメンバーで分担し合って、無事登頂することができました!

 ところが、帰りに寄った温泉の露天風呂で話しているうちに、midoriちゃんの口から、
「暗くて不安だった」「吸っても吸っても、空気が入ってこない感じだった」と聞いて、過呼吸症候群だったことが判明。過呼吸症候群とは、心理的ストレスなどによる呼吸の乱れから、酸素を取り入れすぎて炭酸ガスを体内から過度に出し過ぎる結果、呼吸困難、窒息感、神経症状(四肢麻痺、顔面しびれなど)、 痙攣や不安を覚える疾患群です。私も2度ほど山で経験がありますが、いずれも不安な気持ちの中で激しい運動をした場合になりました。

 対処法はいたって簡単で、
ビニール袋や紙袋を口にあて、なるべくゆっくりした腹式呼吸をして、吐いた空気を再度吸い込むという状態をくり返し、血中の二酸化炭素濃度をあげればすぐに治ります。ただし、袋を口に当てすぎると酸素不足になってしまいますから、少し隙間は作っておきます。一度経験すれば、次回からすぐに自分で気がつくようになるでしょう。

 今回のことで、あらゆる先入観を捨て、すべてを疑って症状を聞き出すようにしなければ、正しい対処ができないんだな〜ということを痛感しました。

ココロの状態によっては、
神秘的にも恐くも感じる深い森

稜線に出たら、多少は明るくなってきた


エピソード*「気持ちいい!」

 蒸し暑〜い下山中に現れた滝の水しぶきがあんまりにも気持ちよくて、「気持ちいー!」と叫んでいたときに、ふと、「そーいえば、ふだん『気持ちいー!』って叫ぶ機会なんてないよなー。『疲れたぁー!』って思わず口をついて出ることはあるけど」と気づく。山って、肯定的なフレーズを声に出して言う機会が多くて、その声がまた身体にもいい震動を与えて元気にしてくれるんだろーなーと思ったのでした。やっぱり山っていいよなー!!


可憐な山のアジサイ
先頭を歩いたmidoriちゃんのreport!

6月27日曇り

(新松田まで今にも降りそうな雨雲。気持ちがなんだかローだなあ。
不安定な感じ。山行けば落ち着くかな。)
 
行き先は畦が丸。だったのが先週の台風で橋が流されていて加入道山に向かい大室山へ。
 
(そういえば先週台風の中、朝霧高原にいたっけ。)
 
私が先頭。
 
(ゆっくり、ゆっくり)
 
沢沿いを進む。
 
(道分りづらい。。。)
 
緑と霧で幻想的な風景。綺麗。
 
(きれいだけど、風ないなあ。ちょっとこわいかも。)
 
さらに進んで。
 
(なーんか変。変?)
 
休憩。
ちょっと進んで。
 
(ゆっくり呼吸、ゆっくり吐いて。。。って入ってこないぞ?
ちょっと帰りたいかも。もつかな。。。)
 
「あーちょっとだめだあ。。。」
 
このときは熱中症か貧血かなんて思ってたけど、取りあえず先頭を変わってもらい、
荷物をみんなに分けてもらって、
ゆっくり進む。
 
(ちょっとホッ)
 
稜線に出て風が通って体調も戻ってくる。
 
(風、気持ち良いなあ)
 
お昼をとるころには復活。心がやっと戻ってきた感じ。
 
無事バスの時間にも間に合い下山。
 
帰りの温泉であれはなんだったのか???
ちょっと怖かったって言ったら大久保さんが「あ〜過呼吸だったんだ。。。」
過呼吸???へ?えー???

怖かったりするとよくなるらしい。
心が不安定で体が疲れているのに気がつこうともせず山に入ったから、
山が気をつけなさいって教えてくれたんだね。
でも、新しいメンバーの二人はびっくりしただろうね、ごめんね。
大久保さん、ゆみっきーさんにも余計な心配をかけちゃって。
みんなごめんなさい、ありがとう。
 
その後1週間は鼻水、海に行ってさらに咳(T_T)
当分山はいいかななんて思ってしまったけど、
体調が戻って今度はどこ行こうなんて考える、今日この頃です。
もちろん今回の教訓を生かして!

    
西丹沢はモスワールド      花は少なく、貴重なウツギ          宙に浮く美しい蜘蛛の巣2つ

参加メンバーのvoice!

hiromi*
からっぽクラブに2回目参加出来て、とってもよかったです。
丹沢には興味があってぜひ機会があればいってみたいな〜とワクワクしていたのです。
前日になって、自分のとこから参加するのが大変な事に気づき
きゃ〜失敗!と反省しながら、親に頼み込んで早朝駅まで送ってもらいました。
そしてやっぱり行って良かったとつくづく思ったのです。

西丹沢は思っていたとおり、木々と水が豊富であちらこちらにモスワールドが広がっており、
なんとも言えない幻想的な空間に包まれていました。
山登りといってもいろいろあるなか、自分的には眺望が悪くても
深い自然を感じながら登れる山がとっても好きです。

心配していた山登りのペースもゆっくりめで、あたしでもついて行く事が出来た事とても感謝してます。
途中にあった滝や橋では、スリリングさを楽しめ、歩いていると大理石を発見したりと
アドベンチャー感覚の変化に富んだ道のりでした。
今後も皆様と、いろんな事を楽しんで行けたらいいな〜と非日常的な時間に満足です。


uri*
加入道山おつかれさまでした〜。
暑くて暑くて尋常じゃないくらい汗かきましたが、下山後のぶなの湯でさっぱりできて気持ち良かったっ!!
「徒渉」が川を渡ることであるとか、下りの時の歩き方とか、リュックのヒモのこととか、
水を手軽に飲めるホースのついた画期的なグッズ(プラ…?やっぱり名前忘れた!)←[大久保注)「プラティパス」です。]とか、膝のサポートなどなど一日でタメになることをたくさん教えていただいて、
からっぽに参加できて幸せだなーとつくづく感じました。

たよりない木橋にびびったり、白い大理石がどどーんとあってびっくりしたり、
蛍光緑の毛虫に驚いたり、日常で味わえないどきどき感がたまらなかったです。
今回とても印象に残ったのは、霧のような雨に当たってみんなで「きもちー!きもちー!」って言ってた時、「そういえば普段気持ち良いって言葉使わないよね。疲れたとはよく言うけど」って由美子さんが言ってて、なるほどそうだなぁと納得。
また山の中でしか感じられない「きもちい〜」を味わうためにますますいろんな山に登りたくなりました。
感謝感謝。


yumickey*
昨日は、膝のことや給水方法で勉強になったり、外国の興味深いお話を聞かせていただいたり
とても不安定な橋でしっかりと手を貸してくれたり、汗をいっぱいかいたときにはたまらない塩味のお菓子や、美味しいいわしの缶詰(梅シソ味)を頂戴したり、地元にある山用品の名物店員さんのお話で盛り上がったり。仲間ってありがたいな!と思った一日でした。みなさん いつも本当にありがとうございます。

西丹沢の山は、映画「もののけ姫」の世界のモデルである屋久島に雰囲気が似てるそうで、
緑色の苔が美しく、大理石が白く光っていました。
台風影響で、橋が壊れたり、木が倒れていたり、道路に水が流れていて
自然って凄いんだと、あらためて思いました。
「ぶなの湯」はお湯がやわらかくて、最高に気持ちがよかったです。


フリー素材:伸びるライン画像

  
使用前(まだみんな元気いっぱい!)      使用後(温泉でのんびりした後)

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